樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#386 戦略的指導法0章3「え!? 勝手に動き始め、ざわめきを起こすことを目指すの!?①」

「授業づくりで大切にされていることはなんですか?」

 

 講師先で毎回のように質問されることです。私が授業づくりのときにいつも意識していることは、正木 孝昌先生(元國學院栃木短期大学教授)が言われている

 

たい(鯛)をたくさん泳がせなさい

 

というフレーズです。

授業で「考えてみたい」「調べてみたい」「やってみたい」「計算してみたい」「友だちと話し合いたい」などのような「○○たい」という姿です。

 この「○○たい」といった子供たちの姿は子供たちの能動的・主体的な姿です。

 「○○たい」という姿になったときには、教師が特に指示をしなくても

 子供たちが勝手に動き始めます

 勝手に動き始め、本時の問題を解決しようとします。そういったとき、

 ざわめきが起きます

 そのため教室が騒がしくなります。

しかし、残念なことにそのざわめきを嫌に思い、すぐに静かにさせようとする先生が多くいます。

ざわめきにより騒がしくなると、

学習規律が乱れている、

学級崩壊になってしまうと思ってしまうのかもしれません。

でも、よく考えて見てください。

確かに学習と関係のないことを話していてざわついていてはダメです。

そういう場合は叱っていいです。

でも、問題に対して自分たちで自然と話し合っているのです。

それはとても素晴らしいざわめきです。

(私はこういったざわめきを「教育的ざわめき」「教育的おしゃべり」と言っています。)

こういった

教育的ざわめき、教育的おしゃべりは認めて欲しいのです。

もちろん学習と関係のないざわめきと見極めることが大切です。教育的ざわめきのときには、

「先生が言わなくても、自分たちで話し合ったり、考えたりしていたよね。とても素晴らしい姿です。」

褒めることを忘れずにしましょう。

特に、4月はどんどん褒めておきたいです。

4月で決まるといっても過言ではありません。

  「○○たい」という姿を引き出すために、促すためにも「戦略」は必要不可欠です。つまり、

 目標や目的を達成するために、「戦略」を使って子供たちの中にあるもの・こと

 を引き出したり、促したりするのです。

 ただその「戦略」を使うだけでは、うまくはいきません。

目標や目的が必ず必要なのです。

目標もなく、ただ単に「戦略」を使用するのでは、

「戦略」の力を100%引き出すことはできません。

これが「戦略的指導法」の大切な考え方のベースにあたります。