樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#448 こんなとき何て言う!?子どもを伸ばすキメ言葉①(リライト)

「先生、消しゴムがありません。」

Aくんがこのように訴えてきました。みなさんだったらどのように返答しますか?

(1) よし!全員で探そう!

(2) もうちょっと探してごらん!

(3) 落し物箱をみてごらん!

(4) あとでみんなで探そう!

(5) 周りの子に聞いてごらん。

(1)~(5)の中にあるでしょうか。それとも別の言葉でしょうか。

私は次のように答えました。

「先生はサイフがありません・・・(沈黙)。どうしよう?」

冗談のような本当の話です。こう言われたAくんはぽかーんとした表情でした。

 

本当にサイフがないわけではありません(笑)

このAくんは、

・片付けができない

・自分の机の周りに物が落ちている。

・このようなことが頻繁にある

・まずは自分で探すということができない

・1年生の2学期

というような背景がありました。

私はAくんには、「1度は自分で探す」「自分の机の周りをみる」「片づけをする」という力を身につけてもらいたいために、

このような返答をしました。

沈黙後、Aくんから

「え!?そんなのぼくに言われてもわからないよ。先生、探したの?」

という返答がありました。そこで、私は

「じゃあ先生も今から探してみるから、Aくんも1度探してみてよ。」

とさらに問い返しました。

Aくんは「わかった!」と言い、探し始めました。すぐに発見したようで、「見つかった!」とうれしそうに報告してくれました。

 

教師が「周りを探してみなさい!」「そこに落ちているよ」と指示することは簡単です。

しかし、上の力を見につけてもらいたいためにこのようなやりとりをしました。

選択肢であげた(1)~(5)は何度も言っていました。

実はこのときはAくんの机の周りをちらっとみたとき、消しゴムが落ちているのが見えました。

どんなときもいつも同じ言葉ではなく、

背景を考えながら、その場の状況に応じた発言をする

ことが大切ではないでしょうか。そういう言葉が、キメ言葉であり子どもを伸ばすのだと思います。

(明日へ続く)