樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#452 戦略的指導法2章①「考えを引き出すためにわざと間違え・失敗をしよう」

子供たちは、先生の間違えや失敗が大好物です。

みなさんも自分が子供のとき、担任の先生の間違えや失敗を笑ったことはありませんか。

間違えや失敗に対しては、思わずツッコミをしたくもなります。

そこで

 わざと間違えること・失敗することで、

「子供たちから考えを引き出す」という学びを深める戦略です。

 

例えば

「リボンが1,2mあります。4人で分けると何mですか」。

という問題があったときに、あえて先に

「この問題って、かけ算だよね。」

と間違えるのです。

すると、「え!。違うよ」という声が必ず返ってきます。

「先生なのに間違えるの!。」

「ありえな~い!」

といった心が傷つくような返答があるかもしれませんが、気にしません。

このときに、「本当だね」と返答するのではなく、

「え!。本当!。」

「先生間違えているの!。」と惚けてみましょう。

 すると、子供たちはよりアクティブに「かけ算ではない理由」や「わり算になる理由」を説明してくれます。

その姿は学びを深めています。

しかし、いつもわざと間違えていると、「学習がなかなか進みません。」

そして、「私の担任の先生、大丈夫!。」と逆に不信感が出てきてしまいます。

だから、

 よく子供が間違えそうなところ

 大切な考え方を理解させたいとき

 既習を元に考えさせたいとき

に使うようにしましょう。 

 また発表をさせたときに、答えや考え方を間違えていってしまった白石さんがいたとします。そんなときは、「先生も同じ答えだ」と言ってみましょう。

 間違えた答えに寄り添うのです。

 答えを間違えてしまったとき、最初は子供たちの視線は白石さんにいっています。白石さんは、みんなの視線を感じ、「みんなに見られ、恥ずかしい」と思うことでしょう。

 それだけにとどまらず、「こんな恥ずかしい思いをしたから、もう発表をしたくない!」と思ってしまうかもしれません。そうなると白石さんはもう授業ではなかなか発表しないことでしょう。しかし、

いわば教師が身代わりをすることで、

 その視線は教師に集まります。そうなると白石さんは「あ! 私から視線が外れた」とホッとすることでしょう。

 もしかしたらホッとしたことで、先生に「先生なのに間違えたらダメだよ」と言っているかもしれませんが。