樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#479 座高検査を廃止したことから思うこと

座高検査が2015年で廃止になったというニュースが流れました。

1937年からはじまり、約80年間続いたそうです。

みなさん、座高検査は何のために行うか、ご存知でしょうか。

私は学生のときも、教師になってからも知りませんでした。

実は、座高検査は、上半身と下半身の長さのバランスを見ることで、子どもの発育状態を測定することができ、学校に配備する机や椅子の高さを決めるのに役立つという目的のために行われてきたそうです。

しかし学校現場から、子どもたちに建康管理と座高の関係がわかりにくく、机や椅子の高さを決める関係がわかりづらいといった声が多くあがっていました。

身長と体重のデータを活用すれば、同じ目的を達成することができるため、今回廃止になったそうです。

 私はこのニュースをみたとき、「約80年続いたものを廃止にする勇気、エネルギーがすごいな」と感心しました。

「例年この時期にはこの行事をしているから今年もしよう」「この単元ではいつもこのプリントを使っているから今年も使おう」など、目の前の子達の実態を考えずに、慣例のように行ってしまっていることが教育現場にはあるのではないでしょうか。

そして何年も教師をしていると、いつのまにか自分の授業スタイルが固まってしまいます。

授業スタイルがある程度固まることは大切だとは思いますが、日々更新していけないこともあるはずです。

 今、教育界では「主体的・対話的で深い学び」が流行語大賞のようになっています。「これまでにしてきたことだ!」「変えることはない」などの意見もありますが、この言葉が流行することで、「自分の授業スタイルをふりかえる」いい機会になるのではないかと私は考えています。

ふりかえってみて、例えば「先生からの説明の時間がいつも長いなと思われたら、説明の時間も1分だけ短くしてみよう。」といったように授業の改善点を改めて自覚し、少しだけでも変えてみてはいかがでしょうか。

教師は皆、自分の授業スタイルが完璧だとは思っていないはずです。

しかし日々の忙しさにそういう気持ちが撲殺されたり、あるいは授業スタイルが確立されたり、変えることへの恐怖を感じたりしている方もいると思います。

目の前の子達に応じて、少しずつでもいつもの自分を勇気を出して変えていきませんか?