樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#491 戦略的指導法2章10「問題は先生より早く書かせよう」

1年生でも6年生でも、算数の授業びらきの日に

「問題を先生より早くノートに書きます。適当な字ではなく、丁寧に書きますよ。」

と必ず言います。

「できそう!」と言う子もいれば、

「え~、そんなの無理~」と言う子もいるでしょう。

そう言った声はとりあえず無視をして、始めます笑

1 m□円のリボンがあります。

3 mでは何円になるでしょうか。

という問題があったとき、

いきなり板書に問題を書き出しません。

1 m□円~と教師が読んでから、

1 m□円~と黒板に問題を書いていきます。

1行目を書き終えると、子どもたちの様子を見ながら、

3 mでは~と2行目の問題文を読み、3 mでは~と続きを書いていきます。

子どもたちは音声と文字のどちらも参考にしながら、書くことができます。

音声と文字のダブルアタックです。

そして、私は問題文を線で囲むようにしています。

そのうち1箇所を開けておき、全員が書けてから、その1箇所に線を引きます。

全員が先生より早く書けるようにわざと負けるのです。

「書けない」と思っていた子には、「書けた」

「書ける」と思っていた子には、「やっぱり書けた」

という小さな成功体験をさせたいのです。

このとき、机間巡視をしながら、

ノートに花丸を描いてあげても効果的です。

子どもたちの状態を揃えたいという目的のもとの

「問題は先生より早く書かせよう」という戦術なのです。

(明日へ続く)