樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#564 戦略的指導法2章19「「、」や「。」などを意識して、相手に伝わりやすい説明に②」

(昨日の続きです) 

松村さんの話をしっかり聞く代わりに、教師がしないといけないことは、

どの子も松村さんの話がわかるようにサポートしていくことです。例えば、

 「もったいないなぁー。松村さんの考えは本当にステキなんだけど、話が長すぎて、50%くらいしか相手に伝わっていないよ。」

と一度ヨイショをしてからダメだと言った上で、改善策を伝えます。例えば、

 「、」や「。」を意識してごらん

と伝えます。最初の松村さんの発表には「。」が少なすぎます。

 

「4分の1でぬれる面積は、5分の2÷3をした15分の2です。

だから1dLでぬれるのは4分の1×4になればいい。

だから、さっきの15分の2に×4になればいい。

だから、答えは15分の8になるの。」

 

となれば最初のよりもわかりやすくなります。他にも、

「短く言おう」

「○秒でいってごらん」「○○字以内で言ってごらん」

などと子供たちに言います。短く簡潔にいうことを目指します。具体的な数を提示するこ

とも有効です。さらに、

 「ここまでオッケー。」と途中でみんなに聞いてごらん

と相手の反応を伺うようにさせます。オッケーでなければ、オッケーになるまで追加の説明をさせるのです。これで一方通行の説明ではなくなります。

 

「4分の1でぬれる面積は、5分の2÷3をした15分の2です。

だから1dLでぬれるのは4分の1×4になればいい。

ここまでオッケー?(オッケーのような雰囲気がある)

じゃあ、続きを言います。

だから、さっきの15分の2に×4になればいい。

だから、答えは15分の8になるの。」

 

とはいってもすぐにできるものではありません。最初のうちはなかなかできないものです。根気強く、長期的に取り組むことで、子供たちはできるようになります。また、

「ストップ。誰か、今の松村さんの考えを板書に書いている図を使って、説明できないかな。」

と発表を途中で止め、他の子供たちに投げかけるということもします。他の子たちに考えを拡げていくサポートをします。みんなが理解できれば、また続きを言わせます。

 聞いている子たちには、

わからなければ、わからないといってごらん。わからないということも優しさだよ

とも伝えています。