樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#666 まちがえを楽しんでいますか③

楽しむための4つのポイント②③

 

昨日の続きです

他の式も発表させ、どうしてその式なのかをドット図を使い、説明をしていく活動が始まりました。

 すると、ドット図がのっている紙を黒板に掲示して、まちがえの式である「4+3=7」の説明を先生がし始めたのです。

大事件です。私にとっては大事件です。「学びを深めていく機会を先生が自ら奪う」という事件が目の前で起こったのです。まちがえを楽しむための2つ目、3つ目のポイントは、

学びの機会を先生が奪わない

過保護になりすぎない

ということです。

 このとき、「まちがえた考え方を全体に提示してしまうとまちがえた子がかわいそう」「まちがえた考え方をあえて全体に出すのはどうなのだろうか」という思いが授業者にはあったようです。確かに、子どもにとって、「まちがいは恥ずかしいもの」です。子どもに限らず大人でもそうです。しかし、これでいいのでしょうか。私はまちがえて、恥ずかしいと思う経験を時々はさせるべきだと思っています。いつもではありません。時々です。社会に出たとき、これから先の人生でこのような場面は必ずあります。授業者の2つの思いは、私は「子どもに過保護すぎる」と思ってしまいます。

 事前にどのようなまちがえがでるのかを予想したとき、そのまちがえを出させないようにすることも過保護すぎます。

 机間巡視をしているときに、まちがいを直したりしていませんか。なぜまちがえを直すのですか。そこには過保護に加え、「授業をスムーズに進めたい」といった教師の都合も入っていませんか。これらは学びを奪う機会だけでなく、まちがえたら恥ずかしいという雰囲気を作る原因の1つにもなっているのではないかと最近思います。

 

明日へ続く