樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#667 まちがえを楽しんでいますか④

(昨日の続き)

前回の「4+3=7」というまちがえた式が出てきたとき、私なら

「やっぱりそうだよね。4+3=7だよね!」ととぼけ、そのまちがえた子に共感をし、寄り添うことでしょう。

 すると必ず、「そうじゃないよ!」と言い出す子がいます。そこで、「え?違うの?」と問い返すと、子どもたちは正しい式や間違えている理由について説明しようとアクティブになります。教えあうという対話をしている姿も引き出すことができます。このときの子供たちは、既習や図や式を使い、説明しようとしている姿は、まさに学びを深めている姿です。アクティブに活動している子どもたちの様子を見るのって、楽しくないですか。そういった機会を奪ってしまっているのです。

 「正しい答えや考え方」の時も、「え?先生と考えていたのと違う」「本当にあっている?」「ファイナルアンサー?」などととぼけて見るのも同様の効果があります。

 ただどんなときもとぼけていては、子どもたちから不信をかうだけです。だから、「ここは絶対に共通理解させたいところ」や「学びを深めたいところ」といった授業の大切な場面で使うようにしています。経験則ですが、私は1時間の授業で3回までと決めています。

(明日へ続く)