#856 自然と子どもから生じる「ペア活動」にしよう
- 取り入れるタイミング
今から約10年前に「単元を貫く言語活動」というキーワードが出て以来、「アクティブ・ラーニング」「主体的・対話的で深い学び」というキーワードからグループ活動が頻繁に取り入れられるようになりました。地域によっては、自力解決後にペア活動を取り入れるという「型」もあるほどです。
しかし、コロナによる学校再開後、ソーシャルディスタンスを保つため、これまでのようなグループ活動を行うことができなくなりました。そこで、改めて自分の授業がグループ活動に頼ってきていたかが、明らかになりました。もしかしたら、必要以上にグループ活動を行っていたのかもしれません。
コロナによる学校再開後、ソーシャルディスタンスを保ったうえで、授業で1回ペア活動といったグループ活動を取り入れてはどうかということを提案しています。1回しか使えないと考えると、授業で1番大切なこと、確認しておきたいことなどとのときにしか使えません。
- 活動を取り入れる場面
ペア活動は、
「いつもタイミングが決まっている(自力の後)」
「目的意識のないペア活動」
「教師が困ったとき(授業が停滞)」
「話し合いたいことがないとき」
といったタイミングで取り入れることは避けたいものです。
また、ペア活動やグループ活動を行うときには、子ども達に共通の話題がないと全く盛り上がりません。教室の場合はグループの中で共通の話題がなくても、周りのグループの話し声や雰囲気からなんとか話をすることはできますが、オンライン授業では他の班の様子はわからなくなるため、静寂が訪れることになります。
グループ活動は、子ども達が話し合いたいというタイミングで行うことがベストです。だから、目の前の子供達の状況に応じて、行う、行わないことを決めることが大切です。
具体的には次のような場面で取り組むことが有効です。
・既習の知識をもとに考え悩んでいる場面
・多様な考えが出てくる場面
・子供の表情から話し合いたいと感じた場面
・課題を達成するために協働的に学んだ方が良いという場面
- 教師が仕掛ける対話と自然と起こる対話
授業には、教師が仕掛けることによって子ども達が話をするタイミングと子ども達の中からつぶやきなど自然と話し始めるタイミングがあります。
子どもが自然と話し始めるには、教室の雰囲気は大切です。また、教師の方も「静かにしなさい」「今は話をし始める時ではありません」
などと言うのではなく、見守ることが大切です。教師が仕掛ける対話よりも子ども達から自然と起こる対話の方がより価値があります。子ども達自身で必要感を持っています。
子ども達に「ペア活動したい!」と言ってもらうことや「今、ペア活動いる?」と聞いてみることも有効です。