樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#350 新刊「どの子も文章題に立ち向かえるようになる算数授業づくり」

 

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新刊がでます

今回は冒頭部分を大公開します

 

 

どの子も文章題に立ち向かえるようになる算数授業づくり

どの子も文章題に立ち向かえるようになる算数授業づくり

 

 

 

6年生の分数÷分数の単元で次のような問題があります。

 

3分の2Lのペンキがあります。

このペンキの重さを測ったら、4分の3kgありました。

このペンキ1Lの重さは何kgでしょうか。

 

さて、この問題の式はABのどちらでしょうか。

みなさんも考えてみてください。

 

A 3分の2÷4分の3 

B 4分の3÷3分の2

 

 私はすぐに立式できないから・・・

 

 みなさんは立式するためにどのように考えましたか。私は算数を研究して、14年目になりますが、正直な話、どちらの式なのか迷うときがあります。迷ったときには、下のように「分数簡単な整数」へと「数値を置き換えて」考えるようにしています。

 

Lのペンキがあります。

このペンキの重さを測ったら、8kgありました。

 

これならば、8÷4とわかります。わかれば、元に戻します。8のところを4分の3、4のところを3分の2に置き換え、4分の3÷3分の2へと数値を元に戻し、Bが正しいと考えました。

 すぐに立式できた方、数直線図、4マス関係図を描き立式された方、文章の下に線を引いた方、関係図を描かれた方、人それぞれ考え方が違うことでしょう。

 

「何も考えを書けない」「わからない」と言い続ける子たち

 

 左の問題を使った実際の授業では、自力解決の時間に、自分の考えを何も書くことができない西野さんがいました。そこで、西野さんに「何でもいいから書いてごらん」と伝えたけれど、何も書くことができずに自力解決の時間が過ぎていく。また、「この問題がわからなーい」と言い続けている秋元さん。授業で西野さんや秋元さんのような、いわゆる学習がしんどい子に出会ったことがありませんか。

 

 考えることができない3つの原因

 

 西野さんや秋元さんはどうして考えることができないのでしょうか。計算ができる・できないといった技能面の問題ではなく、

 

(続きは本で)