樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#291 5年割合の導入①

先々週、ある公立小学校で5年生「割合」の授業をしてきました。

割合の1時間目です。

何と2クラス合同で50名くらいの子供たちと授業をしました。

2クラス合同で授業をしたのは、人生初です。

 

指導案には、この授業に臨むにあたって、次のように書きました。

 

3.指導にあたって

 割合は、同種の二つの数量の関係を比べる概念であり、抽象的な数であるために児童は難しさを感じる。また、基準となる量が異なるにも関わらず、「1」としてみることに難しさがある。割合という見方は、「2つの数量があるとき、一方を1とすると他方はどれくらいか」という見方である。倍の見方と異なることは、二つの数量の関係に比例関係が成り立っているということである。

 本時の問題は学校図書225、226ページのシュート問題をアレンジしたものである。私は教科書教材をアレンジするときに、

  • 自分で実際に問題を解き、考え方や「内言」を書き出す。
  • ①の後、教科書の流れを見て、「内言」を書き出す。

という2つのことを提案している。①②に共通している「内言」とは、「心の中で思ったことや感じたこと」である。この「内言」を元に問題をアレンジし、授業展開を工夫するのである。本時の問題に対しての私の内言の一部である。

・「1」というのが見えづらいよな。

・同じ長さのグラフなんか出る?

・分数の考え方が唐突過ぎないかい?

 これらの内言を解消するために以下のようなことを考えた。

・前半で考えた考え方をもとに、後半の問題について考えるような展開にしたい。

・○×の数を変更し1やになる結果を入れることで割合の見方について考えることがで

 きるのでは?

・少しずつ結果を提示し、順番を考えることで、比較するための方法について何度も考え、共有することができるのでは?

これらをもとに本時では以下のように教材をアレンジし、授業展開を工夫した。

 結果を一度に全て提示するのではなく、徐々に提示し、どちらがシュートが上手なのかを考える。徐々に提示をしていくことで、どの子もどのように考えていったらいいのかということがわかったり、児童から「半分、」という言葉が出てくるだろう。そこで、「何の半分なのか、なのか」ということを問い返したり、児童からでた考え方や言葉を置き換えたりすることで、投げた回数(全体)と入った回数(部分)の関係を明らかにする。授業の後半はAとBで考えたことを使い、CとDについて考えさせる。前半で行った「全体と部分の関係」「分数で表す」といった考え方などをもとに解決させることで、割合についての理解を深めることができると考えた。

 

さて、実際の授業は次の記事以降で