樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#537 「教師」と「子供」が主語になる授業へ②

私が関わっている学校で、

「見方・考え方を働かせた授業の先頭に主語をつけるとすると何をつけますか」と質問をしたところ、全員が「子供」と答えた。

しかし、授業の中で見方・考え方を働かせるのは子供だけだろうか、私はそうではないと考えている。

算数科は他教科よりも間違えに出会う場面が多い教科である。以前、一年生を担任していたとき、

10のかたまりが9個、1が2つ集まった数はいくつですか

という問題に対して、「11」と答えた子がいた。

もちろん答えとしては間違えている。

しかし、この子は、間違えてはいるものの自分なりの論理で出した答えである。

こういった場面で、間違えた子に対して教師がどのように考えるのか、

つまり、教師が(子供への)見方・考え方をどのように働かせているのかということが大切になってくる。

単に「間違えた」と考えただけでは、授業者として思考停止である。

ましてや、「どうして間違えるの?」「このあとの授業の展開が・・・」「違う子をあてたらよかった・・・」と考えてしまうのは、最悪な考え方である。

このような見方・考え方しかできないのであれば、「正しい・間違え」という見方でしかできていないのである。

教師がこういった見方・考え方をしていては、子供達が見方・考え方を働かせた授業を実現することはできないと考える。

では、どのような見方をすればいいのだろうか。

 

明日へ続く。