樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#536 「教師」と「子供」が主語になる授業へ①

今、日本各地で数学的な見方・考え方を働かせるための授業改善が行われている。

校内研修の講師として呼ばれる先の学校の研究テーマに「見方・考え方を働かせる」という用語が使われている場合がここ2年間で多くなった。

 校内研修会で、「見方・考え方を働かせた授業をするにはどうしたらいいのか」という質問がよくあるが、答えは簡単である。

答えは「教材研究」である。

「教材研究」なくして、本時、単元を通しての学習計画を立てたり、教材、教具、授業展開、指導言などを考えたりすることはできない。

「教材研究」というのは、数学的な見方・考え方を働かせる授業において大前提となることである。

しかし、「働き方改革」という言葉でてきて以来、「教材研究にもっと時間をかけよう」ということを私は言いづらくなった。

「教材研究をする時間がありません」「本当はしたいんですが・・・」といった声も聞こえるようになった。

私は決して夜遅くまで、睡眠時間や休みの日を削ってまで、教材研究をしなさい、仕事をしなさいと言っているわけではない。

ただ、授業直前に本時の内容を確認したり、指導書をみながら授業を行うのでは、見方・考え方を働かせた授業を行うことは厳しい。

だから、できる範囲、少しの時間でも構わないので教材研究をしてもらいたい。

そこで、私は「単元ごと」にまとめて、授業づくりを行うことを推奨している。

単元を通してどのような力をつけるのか、この時間ではどのような見方を働かせればいいのかが見えやすいからである。

指導書などで本時の目標、展開だけを確認するのではなく、上記のことも確認してもらいたいのである。

 

(続く)