#857子どもの自学力
本書のテーマである自学力とは、自ら学ぶ力と解釈できます。
第2波・第3波に備えて、自ら学ぶ力を学校で養っていかないといけません。
では、算数科において自ら学ぶ力を養っていくためにはどのようなことが大切なのか「文章題」を例に説明していきます。
授業で、文章題に対して「何も考えを書くことができない」子や「わからないといって何も取り組まない」子に出会ったことはありませんか。
こういった子たちは、自ら学ぶ力がないと思いますか。
私の答えは、「わかりません」です。なぜなら、この子たちは自ら学ぶのために「どのように学んだらいいのか」ということがわかっていないからです。どのように学んだらいいかがわかれば、この子は自ら学ぶことができるかもしれないからです。
こういった子は文章題に向き合うためのアイテムを持っていません。
アイテムとは数直線、4マス関係表や絵や図といった、考えていくためツールです。
授業では、絵や図、数直線などは扱っています。先生の指示によって、描いたことや使ったこともあるでしょう。
それなのに、アイテムを持つことができていません。理由は簡単です
アイテムを子供自身が使うという経験を積んでいないからです。
そして、子ども自身が使うという経験を積む時間を教師が設定しないからです。
そこで、
①「アイテムの使い方を知る」
②「子供達に使わせる」
③「子供達が使ってみる」
の3段階を提案しています。
①「アイテムの使い方を知る」とは、教師が4マス関係表、数直線などの描き方、使い方を教えるということです。教えることは教えないといけません。
②「子供達に使わせる」とは、①で知ったアイテムを教師が指定して使わせるということです。別に使いたくないと思った子にも使わせます。今日は数直線を使って考えよう〜とか
テープ図をノート6マス分で描きましょう、6マス分のうち4マス分のところで線をひきましょう〜といった教師が指示をして進める活動もこの段階になります。
基本的には、この段階で終わっている場合がとても多いです。
(続くかも)