樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#383 戦略的指導法0章1「目指している学級像や授業像を達成するために必要不可欠なもの②」

(#382の続き)

信頼は教師と子供の間にだけでなく、

子供と子供、教師と保護者、子供と保護者、教師と同僚などの間にも

信頼を築いていかないといけません。

信頼を築いているからこそ、○○像は達成できるのです。

 ケンカが多い、先生によく叱られるから、ダメな学級ではありません。

 手をあげて発言する子が少ないから、ダメな授業ではありません。

 信頼関係が築けていない学級や授業がダメなのです。

信頼関係があれば、ケンカが多かろうが、授業中うるさかろうが子供たちには満足感があります。

 私自身が小学校5年生のとき、クラスは学級崩壊していました。

その原因は、担任の先生と信頼関係を築くことができなかったからです。

担任の先生は講師経験のある初任の先生でした。

私はやんちゃな子でしたので、これまでよく叱られていました。

自分が悪いから叱られても仕方がないと思っていました。

が、5年生のときの担任の先生は、

「○○小学校(前任校)の西野くんはどうしてできていたのに、樋口くんはどうしてできないの!?」と言う叱り方をしていたのでした。

これは私に限らず、みんなにそうでした。

「○○小学校の西野くん」を知らない私たちは、

「誰やねん!」と言うツッコミとともに。

不満を抱くようになったのです。その不満が溜まりに溜まって…。

 その次の年、6年生では男の先生になりました。

叱られるたびに、ゲンコツで頭をよく叩かれていました。

今の時代にこんなことをしたら大変ですが、その当時「なんで叩くねん!」と反発することはありませんでした。

なぜならそこに信頼関係があったからです。

ダメなものはダメと男女問わず接してくれたのです。

(信頼関係があれば、何をしてもいいと言っている訳ではありません。体罰は絶対にダメです!)

 厄介なのは、信頼が最初からあるわけではありません。

「今日から先生はみんなことを信頼するから、みんなも先生を信頼してください。」

と言うだけで築けるものではありません。

あたりまえです。

言うだけで築けるのであれば、

みんな目指している学級や授業を達成することができます。そして、日本全国で学級崩壊しているクラスなんて一つもないことでしょう。

 私の小学校時代のエピソードからもわかるように、信頼関係を築く、築かれない要因の1つは教師の接し方であったり、取り組み方であったりします。

つまり信頼関係は、教師の方から何もしかけないで、築けるものでもありません

その信頼関係を築くための「何」に当たる部分が、「戦略」なのです。