樋口万太郎

樋口万太郎です。教育について自分が思っていることを語っていきます。

#862 算数科における自学力とは

算数科における自学力とは

 

本書のテーマである自学力とは、自ら学ぶ力と解釈することができます。第2波・第3波に備えて、オンライン授業を整備することも大切ですが、それ以上に自ら学ぶ力を学校で養っていかないといけません。

算数科において自ら学ぶ力とはなんでしょうか。私は、

「目の前の問題に対して、自ら見方を働かせ、考えていく力」

だと考えています。休校中には、教師が用意したプリントではなく、予習として教科書の問題を自ら進めていくことができる子に育てたいものです。

このように書くと、学校でもこれまでに大切にしてきたことではないかと思われる方もいることでしょう。しかし、「自ら」

というところがポイントです。多くの算数授業では、「子ども自ら」ということよりも、教師が主語になっている場合の授業が数多くあります。「目の前の問題に対して、自ら見方を働かせ、考えていく力」を養っていくためには、どのようなことが大切なのか「文章題」を例に説明していきます。

 

自ら使う機会を設定せよ

 

文章題に対して「何も考えを書くことができない」子や「わからないといって何も取り組まない」子に出会ったことがあることでしょう。みなさんは、こういった子たちは、自ら学ぶ力がないと思いますか。

私の答えは、「わかりません」です。なぜなら、この子たちは自ら学ぶために「どのように学んだらいいのか」ということがわかっていないからです。どのように学んだらいいかがわかれば、この子は自ら学ぶことができるかもしれないからです。

こういった子は文章題に向き合うためのアイテムを持っていません。アイテムとは数直線、4マス関係表や絵や図といった、考えていくためツールです。授業では、絵や図、数直線などは扱っています。先生の指示によって、描いたことや使ったこともあるでしょう。それなのに、アイテムを持つことができていません。理由は簡単です

アイテムを子ども自身が使うという経験を積んでいない

からですそして、

子ども自身が使うという経験を積む時間を教師が設定していない

からです。

そこで、私は文章題指導では、

1「アイテムの使い方を知る」

2「子ども達に使わせる」

3「子ども達が使ってみる」

の3段階を提案しています。

 

 

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